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井伏鱒二・「荻窪風土記」からみた関東大震災1・荻窪八丁通り

井伏鱒二・「荻窪風土記」からみた関東大震災・・・。
大層なタイトルだな(゚Д゚)ノ
一応、これでも文学部のはしくれですから・・・。^±^
教科書に落書きして、代返ばかり頼んでたくせに・・・。(゚Д゚)ノ
文学部のはしくれもへったくれもなかろうが!(゚Д゚)ノx±x

というわけで、いささか不謹慎ではございますが、今回の東日本大震災と、井伏鱒二氏が書きおろした「荻窪風土記」当時の関東大震災とを比べてみましょうって企画のコラムです。
緑の太字は文章の引用を示してます。^±^
20110312・荻窪風土記1

井伏 鱒二(いぶせ ますじ、1898年(明治31年)2月15日 - 1993年(平成5年)7月10日)は、日本の小説家。広島県安那郡加茂村(現在の福山市加茂町)の生まれ。本名は井伏 滿壽二(いぶし ますじ)。筆名は釣り好きだったことによる・・・。

この荻窪風土記は1982年の、井伏氏晩年に発表された作品ですが、内容はちょうど関東大震災の状況がかかれてあって興味深いです。

まず、プロローグ的に・・・。
その大震災の前の荻窪の街を描いた「荻窪八丁通り」の項から始まってます。

それによりますと・・・。

弥次郎さんの話では、関東大震災前には、品川の岸壁を出る汽船の汽笛が荻窪まで聞えていた。ボオーッ・・・・・・と遠音で聞え、木精(こだま)は抜きで、ボオー・・・・・・ッとまた二つ目が聞えていた。
荻窪から品川の岸壁まで、直線距離にして四里内外である。汽笛の音の伝播を妨げるものは、当時としては武蔵野の名残をとどめるクヌギ林のほか、ケヤキの大木、ヒノキの森、スギの密林ぐらいなものだろう。汽笛の音なら聞えていた筈だ。それが大震災後、ぱったりと聞えなくなったという。


この文に書かれてる通り、本当に聞えてたらしいです。^±^←こいつはいつもボオー・・・・・・ッとしてるが
文章の中でもこう続けて答えてます。

しかし弥次郎さん、物理学的に言って、曇った日や灰色の湿っぽい日は、遠方からの物音が、却ってよく伝わるということだね。関東大震災後、汽笛の音の伝播を阻害したのは何だろう」
この質問に、弥次郎さんが言った。
「いや、品川の汽笛の音は、大震災後、晴雨にかかわらず聞えなくなった。確かにそうだ。府中の大明神様の大太鼓の音も、もとは祭りの日に荻窪まで聞えたもんだ。大震災後、やがてこれも聞えなくなった。この辺の澄んでた空気が、急にそうでなくなったということじゃないのかね」
何はプラス・マイナスの関係で、汽笛の音を消すようになったのだ。


関東大震災があったのが大正12年だったそうです。^±^
背景的に言いますと、井伏氏が早稲田大学文学部仏文科を教授との反りが合わなくて中退し、さらに芸術学校をも中退した直後、同人誌『世紀』に参加し、「幽閉」を発表したあたりですね。
この「幽閉」という作品は、のちに「山椒魚」と改名されました。
井伏鱒二氏の代表作のひとつでもありますね。^±^

ぉぃらもこの作品を茶化したことがありますので、ご参考までに。^±^

「山椒魚」を茶化す。^±^ノ

軽々しく茶化すなぉ!(゚Д゚)ノx±x

まあ、とにかく、井伏氏は東京で止宿しておりました。^±^
止宿も三宿も三軒茶屋もあるか!(゚Д゚)ノx±x…それ、杉並区じゃなくて世田谷区だぉ
そこで大きな大震災に出くわすんですが・・・、続き、聞きたい?^±^ノ
では、明日をお楽しみにね~。^±^ノ
やけにもったいぶるなあ!(゚Д゚)ノx±x

ところで、このプロローグにもうひとつ、ぉぃらが興味深く思えた文が・・・。

「大正初期、朝鮮原のクヌギ林のなかには、どんな草が生えていましたか」と訊く(きく)と、ゆっくり考えながら、ススキ、フキ、シドミ(クサボケ)、オミナエシ(白と黄)、山ユリ、ツリガネ草、チガヤ(ツバナ)、ヤブカンゾウなど生えていたと言った。もしこれが低地のところで、たとえば線路際の光明院の下の田圃のようなところなら、一面のアシとヤブカンゾウ、エドムラサキが生えていたという。

朝鮮原とは井伏氏の家の近くの、清水一丁目(現在の地名)だそうです。^±^
狭山湖を散歩すると、今もこれらの花には出会いますよ。^±^

それと千川用水の溝(どぶ)の話が面白かった~。^±^
昭和11年5月頃の話で、出版社大雅堂佐藤年男氏が徳川夢声氏のお宅の先にある釣具屋に入る途中の出来事だそうです。

溝板(どぶいた)が一枚、跳ね返ったことがわかった。オハグロドブそっくりの溝は、どんなに不潔なものかということが暴露した。
大雅堂佐藤年男は見るも無残で惨憺(さんたん)たることになった。私はそれを詩の形式の文章に綴って、雑誌に出した。

春宵(しゅんしょう)
大雅堂の主人
佐藤年男が溝(どぶ)に落ちた
――僕がうしろを振り向くと
忽焉(こつえん)として彼は消えていた――
やがて佐藤の呻き声がした
どろどろの汚水の溝である
彼は溝から這いあがり
全くひどいですなあ
くさいですなあと泣声を出した
それからしょんぼり立っていたが
ポケットの溝泥を掴み出した
実にくさくて近寄れない
気の毒だとはいうものの
暫時は笑いがとまらなかった

これは溝に填った(はまった)当人の身になって考えなくてはならないのだ。笑ったりするのは不謹慎であった。
私は佐藤の体に水をかけてやる場所を探したが、肉屋、菓子屋、家具屋、瀬戸物屋、雑貨屋、材木屋、薬局、パン屋、ポンプ店などあるだけで、とても泥んこの人間を連れて行けるものではない。息もつけぬほどの悪臭を放っていた。こんなときには、ちっとも騒がず静かに考えなくてはならぬ。大雅堂に言わせると「とにかく、バケツの水をかけてくれるところに行こう」ということで、大踏切を渡って南口に新しく出来たレストランに行った。その店の給仕女が、大雅堂をパンツ一つにさせて、バケツの水で体を流してくれた。それでも溝泥の臭みが手足にしみこんで、翌日までもくさかったと本人が言っていた。


つうか、他人の不幸を詩に綴るのは不謹慎だってば。^±^←こいつも言うことがくさいですなあ(泣声)
てか、「砂糖と塩」って・・・^±^←他人の名前で突っ込むこいつのほうが不謹慎
そっちかよ!(゚Д゚)ノx±x
「佐藤年男」だってば!(゚Д゚)ノx±x

他にも四面道の話なども載ってますので、興味がある方は是非、この作品を読んでみてはいかがでしょうか?

そういうわけで、明日に続く・・・。^±^
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テーマ : 読書
ジャンル : 本・雑誌

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非公開コメント

荒野鷹虎さん

荒野鷹虎さん

おはようです。^±^ノ

どうもありがとうございます。^±^
そうなんですよ。文学部で日本文学科です。いやいやそんな、お恥ずかしい限りです。
太宰治の作品にも井伏鱒二が出てきますね。「親友交歓」という作品でしたよね。もちろん読みましたよ。
うちも太宰治の大体の作品をも持ってます。全部文庫版ですがね。
山椒魚は最近になってまた読みました。若いころに読んだのとイメージがずれたりして。
それだけ記憶って曖昧なものなのでしょう。^±^;

てくっぺさんへ!!

おばんです!
文学部出身だったのですねー。流石文章がお上手だと思っていました。!
井伏さんは太宰の師匠だったので全集も持っていますがすっかり忘れてしまいました。笑)ただ「黒い雨」と「山椒魚」は記憶にあります。「黒い雨」の原爆投下の事を書いた本はなぜか盗作の疑いを掛けられた事もありましたが・・・太宰も少し疑問がっていたようですねー。笑)
今日はこの辺にて。又!

jintanさん

jintanさん

こんばんはです。^±^ノ

はい、カタクリも咲いていましたよ。^±^
それにツツジも咲いているところがあり、にぎやかです。^±^
後日、ブログに入れたいと思います。^±^・・・今は体調と相談です
羊山公園の芝桜はチョボチョボでしたが、これからのようで・・・。^±^

ヴィンセントさん

ヴィンセントさん

こんばんはです。^±^ノ

うちもピンと来なかったですが共通点も多いです。^±^
まず、昼間にあった震災だったことですかね。^±^;
そして「地震に酔った」と井伏氏は言ってます。^±^…後日出てきますがね
ここ数日の地震は毎日大きいのが2~3回来ますね。x±x・・・なんか怖いですな

キッツCatさん

キッツCatさん

こんばんはです。^±^ノ

そうなんですか。府中のほうも揺れたでしょうね。^±^;
しかし、今のほうが建物は頑丈ですから怖かったでしょうね。^±^
その怖さも比べ物にならないほどではなかったかなあ。x±x
そして現在も揺れ続けてますよね。+±+
揺れ疲れもわかります。^±^・・・うちは過労でダウンです

森下礼さん

森下礼さん

こんばんはです。^±^ノ

たしかに、自動車が頻繁ではなかったですからね。^±^
それでも市電が通ってたりしてるはずです。^±^
今に比べれば星も見えただろうしなあ。^±^

No title

こんばんは。
コメントありがとうございます。
秩父は今はカタクリなどが見頃でしょうか。
今年は羊山に行きたいなとは思っています。

No title

関東大震災はそんなに前の出来事だったんですね
最近地震が多いからなんか起きそうで怖いです

No title

関東大震災は
母の祖母
わたしからみると大祖母ですよね
が、体験をしたそうです
とはいっても府中在住でしたが

ただいま、揺れ疲れ・・・

山椒魚

 品川での汽笛が荻窪でも聞こえたという話、スゴイですね。
山椒魚、最初は「幽閉」という題名だったのですか。たしかに山椒魚は幽閉されていましたね。
 私の中学時代の友人が、「山椒魚」にかんする読書感想文で、某新聞社が主催するコンテストでグランプリを取ったことがあり、その意味でも印象に残る作品ですね。

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