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お家寄席90・百川

「高橋さんの写真館」名物になりました「お家寄席」・・・。

さて、今日は「百川」の一席です。
この出来事は、本当にあったそうです。もちろん百川も実際にあったそうで。
・・・ではこちらは、平成18年5月4日の作品です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

5月4日 「百川(ももかわ)」・・・でござい。

えー、今日は「百川(ももかわ)」ってぇお笑いでございやして。
こちらは本当にあった懐石料理のお店だそうでして、江戸の時代から、明治の初めまで実際にあったそうですな。
で、この噺はってぇっと。ぶっちゃけ、その店のコマーシャルのために作った落語だったんですって・・・。
^±^ノ凸ヘェ

いや、本当なんですよ。そこでこんなことが本当にあったらしいです。
まあ、花粉症にかからねぇ人っていいますか・・・。
つまり、ノンフィクション!

その前に、まずは小噺ですが・・・。

「おいおい、ラーメン屋のおやじさん! そのスープ、もっと熱くしてくれ!」
「いえ、そんなぬるくないですよ」
「いやいやぬるいよ!」
「そんなことはない・・・。このスープは熱いですよ」
ってラーメン屋の主人が頑固に言い張ったら、客が、
「じゃあ、その指がスープに入らないくらい熱いやつを持って来てくれ・・・」

アチャ~x±x
ひどい話もあったものでして・・・。

もうひとつ小噺。

「おい、このラーメンひどいね。ゴキブリが入ってるよ。これじゃ、汚くって食えないよ」
って客が言ったら、ラーメン屋の親父・・・。
「そうかい! じゃ、気にならねぇように、そのゴキブリを沈めておきやしょう!」

・・・困った店があったもんですな。^±^

まあ、こんな風でないにしろ、困った店ってぇのは昔っからあったようでして。
たとえば、奉公人の方言がわからねぇ店、それもそこが懐石料亭っていいますと、客のほうがためらっちまう・・・。

さて、日本橋葭町(よしちょう)、今でいう日本橋人形町に、千束屋(ちづかや)ってぇ桂庵(けいあん)がありやして。桂庵ってぇのは・・・つまりハローワークのことですな。ここに、百兵衛(ひゃくべえ)ってぇ男が、
「わしゃーどっか、いい口があったら奉公に入りてぇだ・・・」
と相談に来やしてな。
それで、日本橋の浮世小路(うきよこうじ)・・・っていいますと、今でいう日本橋室町三丁目ですかな、ここにあります「百川(ももかわ)」に入ることになったんです・・・。

いよいよお目見えの日、百兵衛(ひゃくべえ)、羽織を着て店を訪ねたんですがな。もしこの百兵衛が羽織を着てなかったらこんな事件は起きなかったんですが・・・。

「ごめんくだせぇやし・・・ごめんくだせぇやし・・・」
「お、百兵衛さんかい?・・・百川に百兵衛だなんて、縁起がいい・・・。今日はゆっくり休んで、まわりに慣れてくれ・・・」

ところが百兵衛が店を訪ねたとき、運の悪いことに女中が皆、身を整えるために髪を下ろしちまったんです。さらに運の悪いことに、ちょうど二階からお手が鳴っちまったんですな。
誰か行かなくちゃならねぇ、生憎(あいにく)誰も出られねぇ・・・そうだ羽織を着てるし百兵衛さん行ってくれ、注文を聞くだけだから簡単だよ・・・ってぇんで、百兵衛にお鉢が回って来ちまったわけでして。

「百兵衛さん、悪いけど行っておくれ。河岸の連中は荒っぽいからくれぐれも失礼のない様に気をつけておくれよ」

これが百兵衛の初仕事だったわけですなんですが、
「う~~ぴ」
と座敷に上がりやすと、お互い初顔・・・。

ここで百兵衛、どうでもいいのに自己紹介をしちまったのが、そもそも勘違いの発端でして。

「へぇ・・・わしは今日からここへぇ入った、主人家(しゅじんけ)の雇人(かけぇにん)で、ひゃくびぇと申すもんでがす、ぴぃ」
「え? あなた様。四神剣(しじんけん)の掛け合い人なんですか?」
「・・・へぇ、さいでがす」

魚河岸の連中、急に丁寧になりやして。
それもそのはずで、百兵衛は主人の家の雇い人と言っただけなのに、あまりにもひどい訛(まなり)で、四神剣の掛け合い人と聞き間違えたんですな。
四神剣とは祭礼で神に供える剣で、これを銭がないからといって、河岸の連中が、質に入れちまったのが運の尽きだったようですな。

「・・・あの、どうかどうか穏便(おんびん)に願いたいものでして。あっしたちは決してあなた様のお顔をつぶすことはいたしませんから・・・」
「まあ・・・そりゃぁ、わしのつまらねぇこんな顔でも・・・つぶさんでいただきてぇもんでがすな、へぇ・・・」
「ま、ま、どうかここは、収めていただきたいんで・・・。まあ、どうぞ。お座布団をおあてになってください。お酒でもお召し上がりますか?」
「わしは酒は飲めんでがすよ・・・」
「さいですか。じゃ、これはいかがですか?」
慈姑(くわい)の金団(きんとん)を百兵衛に薦めやす。
慈姑とは、オモダカの仲間でして、サトイモに似た形の野菜ですな。あっしも実は食べたことはないんですが・・・。よく煮物にして食すそうですよ。

「これは、あんでがすか?」
「・・・はぁ、・・・餡(あん)でがす・・・」
「そうじゃねぇだよ。これはあんっちゅう食べ物でござんすか?」
「・・・ああ、ああ・・・。これは慈姑の金団です」
「ほぅ、これがくえぇだか・・・野郎・・・うまく化けやがったな!」
「・・・あの、化けたなどとそんな物騒なことをおっしゃらずにどうか、あっしたちの顔を立てて、この具合をぐっと(顔を)つぶさずに呑み込んでいただきたいんですが・・・」
「おらが? このくえぇを呑み込むだか? こんないけぇ(でかい)もん、呑み込めるかなぁ・・・」 
「どうか、そうおっしゃらずに、この具合を、ぐぐっと、無理にでも呑み込んでいただきたいんでございますが・・・」
「そうけぇ・・・。呑み込めねぇこともねぇから呑み込むだ・・・ググッ」

目を白黒させて、百兵衛、慈姑の金団を無理矢理、呑み込みやす。

「ありがとうございます。呑み込みやしたら、どうぞ、お引取りください」
「そりでは・・・失礼しやす・・・」

やっとのことで戻った百兵衛、可哀想に、
「ああ、この家(うち)はなげぇこと奉公ぶてねぇなぁ・・・」
涙ぐんでやす。

魚河岸の連中は連中で、顔が青ざめておりやして。
「・・・何だろうなぁ。去年の祭りの後、どうしても銭が足りなくなったんで、質に入れちまったのがばれてたなんて・・・。まさかここに四神剣の掛け合い人が上がってくるとは・・・。でも、どうしてあんなに間抜けなのが入って来たんだろうな・・・」
「おぅ、あれは役者なんだ! 証拠に見ろ! こっちがあなたの顔をつぶさねぇからってお願いしますって懇願(こんがん)したら、奴はなんて言った?・・・こんな汚(きた)ねぇ顔でもつぶさないでいただきてぇ、って言ったじゃねぇか! それに、どうぞ具合を呑み込めと言ったら、洒落(しゃれ)で慈姑(くわい)の金団(きんとん)をわざと呑み込んだじゃねぇか! あれは、すべて心得た! あっしに任せろ!・・・って意味なんだよ! たいした奴じゃねぇか!」
「それにしても、この店が黙って座敷に上げさせるから・・・おい、それもこれも、ここの店がいけねぇんだ! 文句言ってやろうじゃねぇか!」

またぞろ、二階からパンパンとお手が鳴ります。しょうがねぇんで、百兵衛、再び座敷に上がりやす。

「・・・びぃ~」
「・・・あ、あの・・・何かお忘れ物でも?」
「・・・いえ。忘れ物も何も・・・へぇ。わしゃ、ここのごしじん様の雇(かけ)え人(雇い人)ですんで、呼(よ)ばりたんでぇ、ぶっ飛んでめぇりやした・・・」
「何だ! てめぇは四神剣(しじんけん)の掛け合い人じゃなくって、ここの主人の家の雇い人か!・・・紛らわしいこと言いやがって! まあいいや。今度はしっかりしろよ! 使いを頼む。長谷川町(はせがわちょう)の三光新道(さんこうしんみち)に歌女文字(かめもじ)ってぇ常磐津(ときわづ)のお師匠さんがいるんだ。すぐに呼んで来い!」
「・・・びぃ~」

何がなんだかわけのわからねぇまんま、百兵衛、三光新道に向かいます。長谷川町っていいますと、今でいう日本橋堀留町あたりですかな。

「あのぅ~、ちょっくらお聞きしてぇんですが、この辺、はしがわちょぉのさんこじんみちですっけ? この辺に・・・か・・・、か・・・なにかぁ、かのつく人、いらっしゃいませんかぁねぇ~?」
「ええ、確かに長谷川町の三光新道(さんこうしんみち)はこの辺じゃが? 誰をお訪ねかね? かのつく人?・・・ああ、鴨池(かもじ)先生のことか?」
「さいでげすさいでげす・・・。そのかもじぃ~とかいう名前だったです」
「鴨池玄林(かもじげんりん)先生か・・・。外科の先生だ。それはこの道をちっと入って行ったところにあるよ」

百兵衛、そこはすぐに見つけやして。

「ごめんくだせぇやし。あのぅ・・・わし・・・、百川からつけぇ(遣い)でやって来た、百兵衛ってぇもんでげす。実は・・・魚河岸のわけぇお方が、今朝(けさ)がけに四、五人来(き)られやしてぇ、ちょっくらせんせにおいでいただきてぇっとおっしゃるんで・・・びぃ」

ところがあまり訛(なまり)がひどいんで、ここで勘違いが生じやした。

「何? 魚河岸の若いのが袈裟(けさ)がけに四、五人斬られただと?・・・喧嘩でけが人が出たのか? そりゃ大変だ! 魚河岸の連中は気が荒いからな。わしがすぐに駆けつけるから、この薬籠(やくろう)を先に持ってってくれ。それから、帰ったら伝えてくれ。
『焼酎を一升と白布五反、それと鶏卵(けいらん)、ニワトリの卵だ・・・これを二十個ばかり用意しておいてくれ、手遅れになるといけねぇから・・・』
と。河岸の衆にそう伝えておいてくれ」

百兵衛、早速薬籠(やくろう)を持って百川に戻りやす。

「びぇ~ぇ。行ってめえりやした」
「おぅ! ご苦労! お、何だその入れ物は?」
「これでごぜぇやすか? せんせがおっしゃるにゃぁ、こりを先に持ってけってんで・・・ひぃ」
「おいおい。先生じゃねぇだろ。師匠ってぇんだ。それで、何だって?・・・これを先に? ここに三味線(しゃみせん)が入(へ)ぇってるんかな? それにしちゃぁ入れ物がちいせぇが。そうか。折りたたみ式の三味線か・・・。歌女文字(かめもじ)のお師匠も、なかなか粋なもんを持ちやがるぜ」
「あとぉ、焼酎を一升と、白布五反、それと鶏卵(けいらん)、ヌワトリの卵を二十個ばかり用意すろっとぉ、伝(つた)いといてくれってぇ、おっしゃてぇやしたぁ・・・びぃ」
「焼酎を一升? ああ、いい唄を聞かせる景気づけってぇことか・・・。で、白布五反って、それを腹に巻いて気合を入れて、卵を飲んで声につやを出そうってことなんだな・・・」
「へぇ~ぇ、それからぁ、手遅れになるといけねぇからって申してやしたんで・・・」
「手遅れ? 拍手のことかぃ?・・・よくわからねぇな。何か変だな・・・。常磐津(ときわづ)の手遅れって・・・聞いたことねぇし・・・」

そこに鴨池(かもじ)先生、青ざめた顔で部屋に入って来たからたまらねぇ。
「おい、袈裟(けさ)がけに四、五人斬られたって、けが人はどこだ!」

魚河岸の連中、びっくりしたのなんのって・・・。きょとん・・・ですな。そりゃそうですよね。常盤津の歌女文字(かめもじ)を呼びに行ったのかと思いきや、外科の鴨池(かもじ)先生が来たのだから至極(しごく)当然でして。

当然、河岸の衆、百兵衛を怒鳴りつけやす。

「おいおい、なんで常磐津の歌女文字(かめもじ)呼ばずに、外科の鴨池(かもじ)先生を呼びに行ったんだよ! この抜け作が!」
「おら、抜け作でねぇ。百兵衛だ」
「名前を聞いてるじゃねぇ! 抜けてるから抜け作だってぇんだよ」
「はぁ・・・(゚Д゚)? 抜けてるって、どのくらい抜けてるだぁ?」
「どのくらいって、はなっからみんな抜けてらぁ!」

「そうかね? か・め・も・じ。か・も・じ・・・。たんとでねぇでねぇか・・・。たったの一文字抜けてるだけだ」

アンジャッシュさんのネタのような・・・、実際にあった噺でございやした。

お後がよろしいようで・・・。

m<●>m!
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